産業廃棄物の処理で失敗しないために!20種類の種類と処理方法、業者の選び方を徹底解説 

産業廃棄物は、事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、20種類に分類されるものです。法律で処理方法が定められており、適切に処理しないと、罰則の対象となることもあります。

本記事では、産業廃棄物の種類と処理方法、業者の選び方について、わかりやすく解説します。産業廃棄物の処理で失敗しないために、ぜひ参考にしてください。


《目次》

・産業廃棄物の概要

・産業廃棄物の種類と処理方法

・産業廃棄物処理業者の選び方

・産業廃棄物の処理で失敗しないためのポイント

・まとめ


■産業廃棄物の概要

・産業廃棄物の概要

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、20種類に分類されるものです。事業者が排出する廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物に分類されます。一般廃棄物は、家庭や事業系一般廃棄物など、20種類に分類される産業廃棄物以外の廃棄物です。


また産業廃棄物は、その性状や量によって、以下の3種類に分類されます。

・特別管理産業廃棄物

爆発性、毒性、感染性などの性状を有する廃棄物です。

・有害性産業廃棄物は、特別管理産業廃棄物以外の廃棄物のうち、人体や環境に有害な性状を有する廃棄物です。

・一般産業廃棄物は、特別管理産業廃棄物や有害性産業廃棄物以外の廃棄物です。


産業廃棄物は、法律で処理方法が定められています。適切に処理しないと、罰則の対象となることもあります。


・産業廃棄物の処理の重要性

産業廃棄物の処理は、環境保全の観点から非常に重要です。産業廃棄物が適切に処理されないと、以下の問題を引き起こす可能性があります。


土壌や地下水の汚染

大気汚染

水質汚染

生物多様性の損失

健康被害


また、産業廃棄物は、適切に処理されないと、爆発や火災などの事故を引き起こす可能性もあります。産業廃棄物の処理は、事業者の責任において行う必要があります。事業者は、産業廃棄物が発生したら、適切に処理する方法について検討する必要があります。


■ 産業廃棄物の種類と処理方法

20種類の産業廃棄物の種類

産業廃棄物は、その性状や処理方法によって、以下の20種類に分類されます。

(画像)表

・燃え殻

燃え殻は、石炭やコークスなどの燃焼によって生じる灰やカスのことです。


・汚泥

汚泥は、工場や事業所の排水処理によって生じる泥状の廃棄物のことです。


・廃油

廃油は、工場や事業所で使用した油脂類のことです。


・廃酸

廃酸は、工場や事業所で使用した酸性の廃棄物のことです。


・廃アルカリ

廃アルカリは、工場や事業所で使用したアルカリ性の廃棄物のことです。


・廃プラスチック類

廃プラスチック類は、工場や事業所で使用したプラスチックのことです。


・ゴムくず

ゴムくずは、工場や事業所で使用したゴムのことです。


・金属くず

金属くずは、工場や事業所で使用した金属のことです。


・木くず

木くずは、工場や事業所で使用した木材のことです。


・繊維くず

繊維くずは、工場や事業所で使用した繊維のことです。


・紙くず

紙くずは、工場や事業所で使用した紙のことです。


・ガラスくず

ガラスくずは、工場や事業所で使用したガラスのことです。


・陶磁器くず

陶磁器くずは、工場や事業所で使用した陶磁器のことです。


・コンクリートくず

コンクリートくずは、工場や事業所で使用したコンクリートのことです。


・アスファルトくず

アスファルトくずは、工場や事業所で使用したアスファルトのことです。


・鉱物くず

鉱物くずは、工場や事業所で使用した鉱物のことです。


・動物の死体

動物の死体は、工場や事業所で飼育していた動物の死体です。


・その他

上記の20種類に該当しない産業廃棄物です。


・処理方法について

産業廃棄物の処理方法は、その性状や量によって異なります。主な処理方法としては、以下のようなものがあります。


・埋立処分

産業廃棄物を地中に埋め込む処理方法です。産業廃棄物の中でも、土壌や地下水への汚染の可能性があるものや、処理が困難なものなどが埋立処分されます。埋立処分を行うには、環境省の許可が必要です。


埋立処分は、産業廃棄物の処理方法の中では最も古くから行われてきた方法です。しかし、土壌や地下水への汚染を防ぐためには、適切な管理が必要となります。また、埋立処分場は、最終処分場として、最終的に埋め立てられた産業廃棄物を永久に保管する場所となります。そのため、埋立処分場は、地盤が安定した場所に設置され、周辺環境への影響がないように設計されています。


・焼却処分

産業廃棄物を高温で燃焼させて処理する方法です。産業廃棄物の中でも、不燃物や可燃物などが焼却処分されます。焼却処分を行うには、環境省の許可が必要です。


焼却処分は、埋立処分と比べて土壌や地下水への汚染が少ない処理方法です。また、焼却によって発生する熱を回収して、発電や温水供給などに利用することもできます。


しかし、焼却処分では、ダイオキシンなどの有害物質が発生する可能性があるという課題があります。そのため、焼却炉は、ダイオキシンなどの有害物質を排出しないよう、厳しい規制の下で設計・運用されています。


・リサイクル

産業廃棄物を資源として再利用するための処理方法です。産業廃棄物の中でも、金属くずや紙くず、プラスチック類などがリサイクルされます。リサイクルを行うには、環境省の許可は不要です。


リサイクルは、産業廃棄物の量を減らすだけでなく、資源の有効利用にもつながる処理方法です。しかし、リサイクルには、選別や加工などのコストがかかることから、すべての産業廃棄物がリサイクルされているわけではありません。


・減量化

産業廃棄物を減らすための処理方法です。産業廃棄物の発生量を減らすことで、埋立処分や焼却処分の必要性を減らすことができます。減量化を行うには、環境省の許可は不要です。




■産業廃棄物処理業者の選び方

では、どのようにして業者の選定を行えば良いでしょうか?

ここでは業者選びのポイントや探し方について解説いたします。

・業者選びのポイント

産業廃棄物処理業者を選ぶ際には、以下のポイントを押さえることが大切です。


・許可や認可の確認

産業廃棄物処理業者は、環境省や都道府県から許可や認可を受けている必要があります。許可や認可を取得していない業者は、違法な処理を行う可能性があるため、注意が必要です。


許可や認可の種類は、処理する産業廃棄物の種類によって異なります。例えば、特別管理産業廃棄物を処理する業者は、特別管理産業廃棄物処理業の許可を受けている必要があります。

許可や認可の有無は、環境省の「産業廃棄物処理業者情報検索システム」で確認することができます。


・処理実績の確認

産業廃棄物処理業者には、さまざまな種類の処理方法があります。自社で発生する産業廃棄物の種類や量に適した処理方法を実施できる業者を選ぶことが大切です。また、処理実績が豊富な業者は、経験やノウハウが蓄積されており、安心して依頼することができます。


処理実績は、業者のホームページやパンフレットなどに記載されていることが多いです。また、自治体や業界団体に相談することで、実績のある業者を紹介してもらえる可能性があります。


・料金の比較

産業廃棄物処理の料金は、業者によって異なります。複数の業者に見積もりを依頼して、比較検討することが大切です。

見積もりには、産業廃棄物の種類や量、処理方法、運搬費などが含まれます。見積もり書を比較する際には、これらの項目をすべて確認するようにしましょう。


・対応エリアの確認

産業廃棄物処理業者は、処理施設の所在地によって対応エリアが異なります。自社から処理施設までの距離や、運搬費なども考慮して、対応エリアが広い業者を選ぶとよいでしょう。


対応エリアは、業者のホームページやパンフレットなどに記載されていることが多いです。また、自治体や業界団体に相談することで、対応エリアが広い業者を紹介してもらえる可能性があります。


・保険の加入状況の確認

産業廃棄物処理中に事故が発生した場合、賠償責任が発生する可能性があります。保険に加入している業者を選ぶことで、万が一の際にも安心です。


保険の加入状況は、業者のホームページやパンフレットなどに記載されていることが多いです。また、自治体や業界団体に相談することで、保険に加入している業者を紹介してもらえる可能性があります。


・業者の探し方

産業廃棄物処理業者を探す際には、以下の方法があります。


・インターネットで検索

インターネットで「産業廃棄物処理業者」などのキーワードで検索すると、多くの業者が見つかります。口コミや評判を参考にして、信頼できる業者を選ぶとよいでしょう。


・自治体に相談

自治体によっては、産業廃棄物処理業者を紹介するサービスを行っている場合があります。相談することで、自社に適した業者を紹介してもらえる可能性があります。


・業界団体に相談

一般社団法人日本産業廃棄物処理協会などの業界団体に相談することもできます。業界団体に登録している業者は、一定の基準を満たしているため、安心して依頼することができます。



■産業廃棄物の処理で失敗しないためのポイント

産業廃棄物の処理で失敗しないためには、産業廃棄物の処理の流れと、処理の際に注意すべき点について理解しておくことが大切です。また、適切な処理業者を選ぶことも重要です。


・産業廃棄物の処理の流れ

産業廃棄物処理の流れは主に「収集」⇒「運搬」⇒「処理」⇒「処分」という流れで行わます。


・発生から収集

産業廃棄物が発生したら、適切に収集する必要があります。産業廃棄物は、一般廃棄物とは異なり、特別な許可や認可が必要となる場合もあります。


産業廃棄物が発生したら、速やかに収集する必要があり、処理する場合は専用の容器や袋に収集する必要があります。また産業廃棄物収集運搬業許可を受けた業者に委託して収集する必要があります。


・運搬

収集された産業廃棄物は、処理施設に運搬する必要があります。運搬の際には、産業廃棄物の種類や性状に応じた適切な方法で行う必要があります。

産業廃棄物は、耐久性があり、漏れや散乱の防止に適した容器や袋で運搬する必要があります。また、運搬中に安定した状態で保管する必要があったり運搬中に他の物品と混ざらないように注意する必要があります。


・処理

処理施設では、産業廃棄物の種類や性状に応じて、適切な方法で処理を行います。主な処理方法としては、埋立処分、焼却処分、リサイクル、減量化などがあります。


処分

処理された産業廃棄物は、適切な方法で処分されます。処分方法は、処理方法によって異なります。埋立処分された産業廃棄物は、最終処分場において、土壌や地下水への汚染を防止するための管理が行われ、焼却処分された産業廃棄物は、焼却灰として処分されます。

リサイクルされた産業廃棄物は、再利用され、減量化された産業廃棄物は、減量化された形でそれぞれの処分されます。


・産業廃棄物処理の際に依頼者が注意すべき点


・産業廃棄物の種類や性状を正しく把握する

産業廃棄物の種類や性状によっては、特別な処理が必要となる場合があります。産業廃棄物の種類や性状を正しく把握して、適切な処理を行うことが大切です。


・産業廃棄物の処理記録を保存する

産業廃棄物の処理については、記録を保存する必要があります。記録を保存しておくことで、万が一の際にも対応しやすくなります。


委託先の選定に注意する

産業廃棄物処理は、事業者の責任において行う必要があります。そのため、委託先の選定に注意する必要があります。


また、委託契約書を締結する際には、契約内容をよく確認して、不明な点は必ず確認するようにしましょう。具体的には、以下の点について確認しておくとよいでしょう。


処理方法

処理料金

処理スケジュール

事故時の対応


産業廃棄物処理は、環境保全や安全に配慮した適切な処理を行うことが大切です。依頼者は、上記の点に注意して、適切な処理業者を選ぶようにしましょう。


■まとめ

産業廃棄物の処理は、事業者の責任において行う必要があります。適切な処理を行わないと、環境汚染や健康被害などの問題を引き起こす可能性があります。


産業廃棄物の処理は、事業者の責任において行う重要な業務です。適切な処理を行うために、本記事で解説したポイントを参考にして、産業廃棄物の処理を適切に行うようにしましょう。